はたらく仕組み図鑑 01 / 業種編

その会社は、どこでお金を
生んでいるのか

業種ごとに、お金の回り方を1枚の輪にしました。回り方が分かると、年収の上がり方も求められる力も忙しくなる時期も予測できます。どの業種が良い・悪いという話ではありません。

どの業種でも、見るのはこの3つだけ

  1. 誰が払っているか — お金の入り口。ここを間違えると仕事の相手を読み違えます
  2. 何をすると増えるか — 売上の公式。あなたが評価される軸そのものです
  3. 止まると何が困るか — その会社が必死になる場所=忙しさの正体

もくじ — 気になる業種から読めます

01

IT

同じ「IT企業」でも、人の時間を売る会社と、ソフトを月額で貸す会社では、お金の回り方が正反対です。

型 A

SIer型(受託開発・SES)

エンジニアの時間を、月いくらで貸す会社。

毎月 まわる 発注企業 システムを自分で作れない会社 SIer あなたはここで働く エンジニア 1 ¥ 開発費 +毎月の保守費 2 ¥ 給与 3 働いた時間 納品・常駐で返す
時間がお金に変わる輪。1開発費 → 2給与 → 3働いた時間、の順で毎月まわります。エンジニアが働き続ける限り止まりません。

売上のつくり方

単価×人数×月数

  • 単価技術力で上がる
  • 人数採用で増える
  • 月数契約が続くほど伸びる

ここがポイント

  • 「未経験歓迎」が多いワケ

    人を増やすと、そのまま売上が増えるから。研修つきで未経験を採るのは、やさしさではなく構造の話です。

  • 年収の上げ方は2本道

    自分の単価を上げるか、見る人数を増やすか。技術を極めるか、まとめる側に回るか選べます。

  • 会社がいちばん必死な場所

    案件が切れると、その人の売上はゼロ。だから会社は仕事を切らさないことに必死になります。

型 B

SaaS型(月額のソフト提供)

1本のソフトを、何社にも月額で貸す会社。

解約まで まわる SaaS会社 あなたはここで働く 利用企業 ×100社 1 ソフトを貸す 同じ1本を全社に 2 ¥ ¥ 月額 × 社数 使い続ける限り毎月
1本のソフトが何社分ものお金を呼ぶ輪。1ソフトを貸して 2月額が社数ぶん戻る。解約されない限り回り続けます。

売上のつくり方

社数×月額×続いた月数

  • 社数営業が増やす
  • 月額使う人・機能が増えると上がる
  • 続いた月数解約を止めるほど伸びる

ここがポイント

  • 未経験の入口は「売る側」

    1本作れば何社にでも配れるので、作る人は増やさない。増えるのは売る人と使わせる人です。

  • 年収は数字で決まる

    増やした数字で上がるから若くても上がる。かわりに、上がらない理由も数字で返ってきます。

  • 勝負は売ったあと

    解約されると積み上げた売上が消える。契約を取ったあとの仕事のほうが重い会社もあります。

SIer型は

人を増やして伸びる会社

SaaS型は

続けてもらって伸びる会社

この会社の中では、誰が働いているか

IT企業には、こういう役割の人たちがいます

お客さんに近い側(前線)会社を支える側(バックオフィス)ITエンジニア営業コンサルタントカスタマーサクセス企画・管理職マーケコーポレート・事務
営業とエンジニアが中心。会社の稼ぎ方によって、社内にいる顔ぶれが変わります。
  • ITエンジニア作る人。会社が商流のどの段にいるかで、担当する工程(要件定義か、製造か)が変わります。
  • 営業案件を取る人。SES型なら「エンジニアを空けない」こと、SaaS型なら「新規契約を増やす」ことが仕事になります。
  • コンサルタント上流で「何を作るべきか」を決める人。IT業種はコンサル職の入口がいちばん広い領域です。
  • 企画・管理職チームと数字をまとめる人。プレイヤーから移っていくポジションです。
  • カスタマーサクセス・サポート売った後を担当する人。SaaS型の会社では、解約を止める要の職種になります。
  • マーケ・コーポレート・事務集客と、会社そのものを回す人たち。会社が大きくなるほどこの層が厚くなります。

同じIT業種でも、SIer型の会社にはエンジニアと営業が多く、SaaS型には営業・CS・マーケが多い。会社の稼ぎ方が、社内にいる職種の構成まで決めています。

03

人材・教育

あなたが今まさに使っているサービスの裏側です。なぜ求職者は無料で使えるのか、その答えがそのまま稼ぎ方になっています。

型 A

紹介型(人材紹介・転職エージェント)

入社が決まったときだけ、企業から成功報酬をもらう会社。

求職者無料で使える求人企業人がほしい会社キャリアアドバイザー紹介会社あなたはここで働く支援・求人紹介人を紹介する¥決まったら企業から成功報酬求職者は無料
求職者と企業のあいだに立つ仕事。左のあなたを支え、右の企業に紹介する。お金は決まった瞬間だけ、企業側から。

売上のつくり方

決まった人数×その人の年収×手数料率

  • 人数 決まらなければゼロ
  • 年収 高いほど報酬も上がる
  • 料率 会社ごとに2〜3割台

ここがポイント

  • 真ん中に立つ仕事

    紹介会社は、求職者と求人企業の間に立っている。左右のどちらとも話せる立場だからこそ成り立つ商売で、どちらか一方の味方になった時点で機能しなくなります。

  • 無料のカラクリ

    あなたが無料で使えるのは、企業が払っているから。だからエージェントは決まらないと1円も入りません。この構造は知っておいてください。

  • 急かされていないか見る目を

    だからこそ、急かされていないかを見る目を持ってほしい。合わない会社に決まっても、早期退職なら報酬が返金される契約が多く、無理に推すのは紹介会社にとっても損です。

  • 成果がはっきり出る

    働く側としては、成果がはっきり出る仕事。決定という分かりやすい成果があり、未経験からの入口も広い業種です。

型 B

派遣型(人材派遣)

自社で雇ったスタッフを他社で働かせて、働いた時間ぶんをもらう会社。

スタッフ雇用は派遣会社派遣先企業指示を出すのはここフォロー担当派遣会社あなたはここで働く雇って支える働きに行く¥時間単価と時給の差額が取り分差額が取り分
雇う会社と働く場所が分かれる構造。左のスタッフを雇って支え、右の派遣先へ送り出す。働いている間ずっと売上が入ります。

売上のつくり方

スタッフ数×時間×単価

  • 人数 稼働している人だけが売上
  • 時間 休むと減る
  • 単価 スキルで上がる

ここがポイント

  • 雇う会社と指示する会社が別

    雇っているのは派遣会社、指示を出すのは派遣先。この「雇用と指揮命令が分かれている」ことが派遣の一番の特徴で、法律の規制が細かい理由でもあります。

  • 決まった後もずっと売上

    紹介型と違い、決まった後もずっと売上が入る。そのかわり、スタッフが辞めたり休んだりすると即座に売上が減ります。

  • 回り方はSIer型と同じ

    回り方はIT編のSIer型とほぼ同じ。人の時間を売る商売という点で同じ構造です。

  • 社員の仕事はフォロー

    社員として働くなら、仕事はスタッフのフォロー。採用と、辞めさせないことの両方が数字になります。

求人広告型はまた別 — 掲載した時点でお金をもらう仕組みで、採用が決まったかどうかは売上に関係しません。だから「掲載社数」が数字になります。

型 C

スクール・教育型(教えて月謝をもらう)

教える場と先生を用意して、月謝で続けてもらう商売。

先生・教室運営スクールあなたはここで働く生徒・保護者通い続ける人たち教えて伸ばす¥月謝(続く限り毎月)続きが命
通い続けてもらう構造。教えて、月謝が続く。SaaS型と同じ「やめられるまでまわる」商売です。

売上のつくり方

生徒数×月謝×続いた月数

  • 生徒数募集・体験会で増える
  • 月謝コース・学年で上がる
  • 続いた月数成果と楽しさで伸びる

ここがポイント

  • SaaS型と同じストック型

    入会で増えて、退会で減る。だから体験会と退会防止にいちばん力が入ります。

  • 仕事は「教える」と「集める」の2つ

    先生のほかに、教室長=集客と運営の仕事があります。未経験の入口はこちら側です。

  • 山は春

    入学・進級の季節に入会が集中します。繁忙期がはっきりしている業種です。

紹介型は

決まった瞬間だけ稼ぐ

派遣型は

働いている間ずっと稼ぐ

この会社の中では、誰が働いているか

人材会社には、こういう役割の人たちがいます

お客さんに近い側(前線)会社を支える側(バックオフィス)キャリアアドバイザー法人営業コーディネーター集客・マーケ管理部門・事務
中心はCAとRA。求職者側を向くか企業側を向くかで向きが逆です(1人で両方持つ「両手」の会社もあります)。下の土台は目立たない仕事ですが、ここが止まると上の全部が止まります。システムが落ちれば求人を出せず、入金や契約が回らなければ会社が続きません。
  • CA(キャリアアドバイザー)求職者側を担当する人。話を聞いて、求人を紹介し、選考を支える。人と向き合う時間がいちばん長い役割です。
  • RA(リクルーティングアドバイザー)企業側を担当する人。求人を預かり、どんな人がほしいのかを聞き出す。法人営業の性格が強い役割です。
  • 両方を持つ会社もある(両手)1人が求職者と企業の両方を担当する形。全体が見える反面、負荷は重くなります。片手か両手かは面接で必ず確認してください。
  • ITエンジニア自社の求人サイトやマッチングの仕組みを作る人。人材業界は自社システムを持つ会社が増えています。
  • マーケ・広告求職者を集める人。集客が止まると紹介する人がいなくなるので、事業の入口を支えています。
  • コーポレート(経理・人事)支える側。人材業界は許認可(有料職業紹介の免許)が要る業種なので、管理体制も重要になります。
  • そのほかコンサル・CS・事務など。会社の規模と、扱う領域の広さで変わります。

紹介型の会社は営業がほぼすべて。派遣型になるとスタッフのフォロー役(コーディネーター)が加わります。「人と話す仕事」の中身が、紹介と派遣で違うので、そこを本人に確かめてください。

04

メーカー・製造

ものづくりの会社は、値段を自分で決められるかで二つに分かれます。愛知・東海には受託側の会社が多く、営業の仕事も大きく変わります。

型 A

自社製品型(自分のブランドで売る)

自分で企画して作って、自分で値段を決めて売る会社。

開発・製造メーカーあなたはここで働くお客さん製品を買う人・会社作って届ける¥製品の代金値段は自分で
自分のブランドで売る構造。作って届けて、代金が返る。値段を自分で決められるのが最大の強みです。

利益のつくり方

(売値−原価)×売れた数

  • 売値 ブランドが強いほど高くできる
  • 原価 作り方の工夫で下がる
  • 数 販路を広げると増える

ここがポイント

  • 値段を自分で決められる

    値段を自分で決められるのが最大の強み。良いものを作れば利益が厚くなる。開発に投資できる理由もここです。

  • 営業は「広げる」仕事

    営業の仕事は「広げる」こと。取扱店を増やす、新しい使い道を提案する。値引き交渉に追われる度合いは低めです。

  • 売れ残りは自社の損

    売れ残りは自社の損。作りすぎ・在庫は直接効いてきます。何が売れるかを読む力が問われます。

型 B

受託製造型(他社の図面どおりに作る)

取引先から図面と注文をもらって、そのとおりに作る会社。

現場受託工場あなたはここで働く発注メーカー図面と注文を出す図面どおり納品¥注文と代金値段は相手が
図面どおりに作って納める構造。注文をもらい、指定どおりに返す。値段は右の発注側が握っています。

利益のつくり方

受注額−かかった原価

  • 受注額 取引先が決める
  • 原価 下げた分がそのまま利益
  • 稼働 機械を止めないほど有利

ここがポイント

  • 値段は相手が決める

    値段を自分で決められない。だから利益を出す方法は「安く早く正確に作る」に集中します。改善活動が強い理由です。

  • 営業は「取りに行く・守る」

    営業の仕事は「取りに行く・守る」こと。相見積もりで負けない、既存の取引を切らさない。関係づくりの比重が大きい。

  • 取引先の数を見る

    取引先の数を見てください。1社に頼りきりだと、その会社の都合で仕事が消えます。分散していれば安定します。

自社製品型は

値段を自分で決められる

受託製造型は

値段を取引先が決める

この会社の中では、誰が働いているか

メーカーには、こういう役割の人たちがいます

お客さんに近い側(前線)会社を支える側(バックオフィス)営業開発・設計製造・品質生産管理マーケコーポレート・事務
作る人と売る人が同じ会社にいるのがメーカー。受託製造の会社では「商品企画」がなく、取引先の図面から始まります。
05

商社・卸

「メーカーから直接買えばいいのに、なぜ間に会社が入るのか」。その答えが、そのまま商社の稼ぎ方です。ここだけ図の形が変わります。

差益型(仕入れて売る)

メーカーから仕入れて客に売り、その差額をもらう会社。

メーカー作る側商社あなたはここで働くお客さん買う側1仕入れる2売る3¥売値お金は逆に流れる4¥仕入値差額が利益
作る側と買う側のあいだに立つ仕事。物は左から右へ(1仕入→2販売)、お金は右から左へ(3売値→4仕入値)。差額が利益です。

売上と利益のつくり方

取扱った金額×数%の差益

  • 取扱高 大きく動かすほど増える
  • 差益率 提案力や専門性で上がる
  • 回転 在庫が動くほど効率が良い

ここがポイント

  • 間に入る理由は「肩代わり」

    間に入る理由は「肩代わり」。在庫を持ち、代金を立て替え、小分けして運ぶ。メーカーも客も面倒なことを引き受けているから、抜かされずに済んでいます。

  • 薄い利益×大きい金額

    1件の利益は薄いが、扱う金額が大きい。だから億単位の商談を若手が担当することもあります。数字の桁に驚かないでください。

  • 営業は両側を持つ

    営業は「売り先」と「仕入れ先」の両方を持つ。どちらか一方だけの会社とは動き方が違います。人間関係の仕事だと言われるのはこのためです。

気をつけて見る点 — その商社が「何を肩代わりしているか」。専門知識や在庫機能がなく、ただ間に入っているだけの会社は、いつか外されます。

この輪の要

間に入って、面倒ごとを丸ごと肩代わりする会社。

この会社の中では、誰が働いているか

商社・卸には、こういう役割の人たちがいます

お客さんに近い側(前線)会社を支える側(バックオフィス)営業仕入れ・調達物流・貿易事務コーポレート
商社は仕入れと販売の両方を持つのが特徴。事務が止まるとモノが流れないので、後方の存在感が大きい業種です。
06

建設・設備

建物は1社では建ちません。仕事を丸ごと受ける会社と、その一部を担う会社に分かれ、立場によって仕事の中身がまったく違います。

型 A

元請け型(ゼネコン・工事一式)

工事を丸ごと請け負い、専門会社に振り分けて、まとめて完成させる会社。

発注者建物を建てたい側専門工事会社職人の会社たち施工管理元請けあなたはここで働く完成を約束束ねて発注¥代金−外注費=利益残りが利益
発注者と職人たちのあいだに立つ仕事。左に完成を約束し、右を束ねて動かす。段取りの良さがそのまま利益になります。

利益のつくり方

受注金額−実際にかかった費用

  • 受注金額 契約時に決まる(後から増えない)
  • 費用 段取りが悪いほど膨らむ
  • 工期 延びるほど費用が増える

ここがポイント

  • もらう金額は先に決まっている

    もらう金額は先に決まっている。だから利益は「かかる費用をどれだけ抑えられたか」で決まります。段取りがそのまま利益です。

  • 施工管理は段取りの仕事

    施工管理の仕事は、人・物・お金・工程の段取り。自分で作るのではなく、作る人たちを回す仕事です。ここは誤解されがちです。

  • 天候と工期に振り回される

    天候と工期に振り回される。忙しさが季節や現場の進み方で変わるのは、この構造から来ています。

型 B

専門工事型(下請け・職人の会社)

元請けから工事の一部を受けて、人と技術を出す会社。

職人専門工事会社あなたはここで働く元請け工事の一部を発注現場で施工する¥工事の代金
人と腕を現場に出す構造。右の元請けから仕事を受けて、現場で形にする。資格がそのまま単価になります。

売上のつくり方

職人の人数×日数×単価

  • 人数 人が増えれば受けられる工事が増える
  • 日数 現場が途切れると止まる
  • 単価 資格と腕で上がる

ここがポイント

  • 回り方はSIer型と同じ

    IT編のSIer型とまったく同じ回り方。人の時間を売る商売です。だから「人が足りない」が常に経営課題になります。

  • 資格がそのまま単価になる

    資格がそのまま単価になる。手に職の意味がはっきりしている業種で、未経験から入って資格を取る道が用意されています。

  • 仕事量は元請けしだい

    元請けとの関係で仕事量が決まる。取引先が1社に偏っていないかは、確認しておく価値があります。

元請け型は

段取りで利益を出す

専門工事型は

人と腕で稼ぐ

この会社の中では、誰が働いているか

建設会社には、こういう役割の人たちがいます

お客さんに近い側(前線)会社を支える側(バックオフィス)施工管理営業職人・技能工設計・積算事務・コーポレート
建設の主役は施工管理。自分で造るのではなく、造る人たちを段取りする仕事です。
07

不動産

同じ「不動産」でも、決まった瞬間だけお金が入る仕事と、毎月入り続ける仕事があります。働き方も収入の波もまるで違います。

型 A

仲介型(売買・賃貸の仲介)

売りたい人と買いたい人をつないで、決まったときに手数料をもらう会社。

売主売りたい人買主買いたい人営業仲介会社あなたはここで働く物件を預かる物件を紹介する¥決まったときだけ両方から手数料成約がすべて
売主と買主のあいだに立つ仕事。左から物件を預かり、右に紹介して契約をまとめる。決まるまでは1円も入りません。

売上のつくり方

決まった件数×物件価格×手数料率

  • 件数 決まらなければゼロ
  • 価格 高い物件ほど手数料が大きい
  • 料率 法律で上限が決まっている

ここがポイント

  • 決まるまで1円にもならない

    決まるまで1円にもならない。人材紹介と同じ成功報酬型です。その分、決めた人が評価される仕組みになりやすい。

  • 歩合の比率を必ず確認

    歩合の比率を必ず確認してください。同じ「年収600万可能」でも、固定給が高い会社と歩合次第の会社では生活の安定感が別物です。

  • お客さんの都合で動く

    お客さんの都合で動く仕事。土日や夕方に動くことが多いのは、買う人が動ける時間に合わせているからです。

型 B

保有・管理型(貸す・管理する)

物件を持って家賃をもらう、または管理を任されて毎月の管理料をもらう会社。

オーナー・物件任せたい人入居者部屋を借りている人担当者管理会社あなたはここで働く建物を維持暮らしを支える¥毎月の管理料・家賃から
オーナーと入居者のあいだに立つ仕事。建物を守り、暮らしに対応する。切らさない限り毎月積み上がります。

売上のつくり方

部屋数×家賃×埋まっている割合

  • 部屋数 物件を増やすと増える
  • 家賃 立地と状態で決まる
  • 入居率 空室が出ると即座に減る

ここがポイント

  • 毎月積み上がる安定収入

    毎月積み上がるので、収入が安定している。SaaS型と同じ回り方です。会社としても計画が立てやすい。

  • 仕事は「切らさない・空けない」

    仕事は「切らさない・空けない」。派手な契約より、トラブル対応と信頼の積み重ねが評価されます。

  • 仲介と管理が同居する会社も

    同じ会社の中に仲介と管理の両方がある場合も。どちらの部署に配属されるかで働き方が変わるので、面接で確認してください。

仲介型は

決めた瞬間に稼ぐ

保有・管理型は

切らさないことで稼ぐ

この会社の中では、誰が働いているか

不動産会社には、こういう役割の人たちがいます

お客さんに近い側(前線)会社を支える側(バックオフィス)営業管理担当事務・契約コーポレート
同じ会社に仲介(決めて稼ぐ)と管理(切らさず稼ぐ)が同居していることが多い業種です。どちらの部署かで働き方が変わります。
08

医療・介護

この業種だけ、他とはっきり違う点があります。値段を自分たちで決められないことです。ここを押さえると、人手不足の理由まで説明がつきます。

公定価格型(保険から入るお金で回る)

サービスの値段を国が決めていて、その大半が保険から支払われる仕組み。

スタッフ施設あなたはここで働く利用者患者さん・入居者ケアを提供する¥自己負担1〜3割+保険7〜9割値段は国が
制度の上で向き合う構造。ケアを提供し、お金の大半は保険(国)から入る。だから値上げという選択肢がありません。

売上のつくり方

利用者数×国が決めた単価

  • 利用者数 増やせるかは地域と評判しだい
  • 単価 自社では動かせない
  • 加算 体制を整えると上乗せがある

ここがポイント

  • 値上げができない業種

    値上げができない業種。だから人件費が経営を直撃します。人手不足と待遇の話がずっと続く理由がここです。精神論ではなく仕組みの問題です。

  • 制度が変わると収入が変わる

    制度が変わると収入が変わる。数年ごとの改定で、事業所の経営が一気に苦しくなることも良くなることもあります。

  • 営業は「集客」でなく「連携」

    営業職は「集客」ではなく「連携」。病院・ケアマネ・自治体との関係づくりが仕事です。売り込む仕事を想像していると、入社後にギャップが出ます。

ただし例外もあります — 自費サービス(保険を使わないリハビリ・自由診療など)は、自分たちで値段を決められます。求人を見るとき、保険の中の仕事か外の仕事かを確認してください。

この輪の要

値段は国が決める。だから量と制度への強さが勝負。

この会社の中では、誰が働いているか

病院・施設には、こういう役割の人たちがいます

お客さんに近い側(前線)会社を支える側(バックオフィス)看護・介護スタッフ相談員・連携事務・レセプト施設運営
専門職が中心の現場です。事務が請求を間違えると収入が入らないので、後方の正確さが経営に直結します。
09

小売・外食

お店の商売は、売上も費用も1つの店の中で完結します。だから店長が小さな経営者になります。数字の作りがいちばん分かりやすい業種です。

店舗型(お店で売る・食べてもらう)

お客さんが店に来て、その場で買う・食べる。売上も費用も店ごとに決まる商売。

店長・スタッフお店あなたはここで働くお客さん店に来て買う・食べる接客して売る¥代金(売上は店ごと)
1つの店でお客さんと向き合う構造。接客して売って、代金が店の売上に。仕入れ・人件費・家賃を引いた残りが利益です。

売上のつくり方

客数×客単価

  • 客数 立地と評判で決まる
  • 客単価 品ぞろえと勧め方で上がる
  • 回転 外食は席の回り方も効く

ここがポイント

  • 利益は「引いた残り」

    利益は「仕入れ・人件費・家賃」を引いた残り。この3つで売上の7〜8割が消えるので、残りは薄い。だから細かい管理が効きます。

  • 店長は小さな経営者

    店長は小さな経営者。シフト・発注・売上まで見るので、若いうちに数字を動かす経験ができます。この経験は他業種でも通用します。

  • お客さんが動く時間に働く

    お客さんが動く時間に働く仕事。土日や夜が忙しいのは構造上避けられません。そこを納得できるかは事前に確認してください。

本部か、店舗か — 同じ会社でも、店舗で働くのと本部(商品開発・店舗開発・スーパーバイザー)で働くのでは仕事が別物です。将来どちらに行きたいかは面接で聞いておく価値があります。

この輪の要

店の数字を全部見られる、小さな経営の練習場。

この会社の中では、誰が働いているか

小売・外食の会社には、こういう役割の人たちがいます

お客さんに近い側(前線)会社を支える側(バックオフィス)店長販売・ホール調理・バックヤード本部スタッフバイヤーコーポレート
店長が小さな経営者。本部が決めた商品を、店で売り切る形です。個人店なら本部がなく、全部を店で決めます。
10

コンサル・専門サービス

稼ぎ方は実はSIer型とほぼ同じ「人の時間を売る」商売です。違いは売っているのが答えであること。だから単価が変わります。

コンサル型(知恵と時間を売る)

経験のある人の時間を、高い単価で貸す会社。

コンサルタントコンサル会社あなたはここで働くクライアント答えがほしい会社入り込んで答えを出す¥コンサルフィー高単価の時間
客の中に入り込む構造。SIer型と同じ「時間を売る」商売。違いは、売っているのが答えで、単価が高いことです。

売上のつくり方

単価×人数×稼働した月数

  • 単価 実績と肩書きで決まる
  • 人数 採用できた分だけ増える
  • 稼働率 空いている人は売上ゼロ

ここがポイント

  • 売っているのは時間と答え

    回り方はSIer型と同じ「人の時間を売る」商売。違うのは単価です。答えを出すことに値段がつくので、同じ1か月でも桁が変わります。

  • だから稼働率が命

    だから稼働率が命。プロジェクトに入っていない期間は、その人の売上がゼロ。「常に案件がある状態」を保つことに会社が必死になります。

  • 未経験の入口は狭い

    未経験の入口は狭い。売り物が経験そのものなので、若手は「調べる・作る」担当から入って年数で単価を上げていきます。年収は早く上がるが、稼働も重い業種です。

士業(会計・法律・鑑定)も同じ形 — ただし単価をつくるのが経験ではなく資格です。だから資格を取るまでが長く、取った後は安定します。

この輪の要

売り物は「答え」。だから稼働率と単価がすべて。

この会社の中では、誰が働いているか

コンサル会社には、こういう役割の人たちがいます

お客さんに近い側(前線)会社を支える側(バックオフィス)コンサルタントリサーチ・分析コーポレート・事務
案件に入っていない人は売上ゼロという構造なので、常に案件を切らさないことに会社が必死になります。
11

物流・運輸

モノを預かって、運んで、届ける。動かした量がそのまま売上になる、いちばん分かりやすい商売です。

運賃型(運んで・預かって稼ぐ)

荷物を運んだ量・預かった量に応じてお金をもらう会社。

荷主運んでほしい会社届け先待っている人・会社ドライバー・倉庫物流会社あなたはここで働く預かる運んで届ける¥運賃+保管料(量×距離)
荷主と届け先のあいだに立つ仕事。左から預かり、右へ届ける。止めないこと自体が価値です。

売上のつくり方

運んだ量×距離+保管の広さ×日数

  • 量 荷主の商売が伸びれば増える
  • 単価 燃料と人件費に押される
  • 効率 積載率・回転で利益が変わる

ここがポイント

  • 売上は伸びるが利益は薄い

    売上は伸ばしやすいが、利益は薄い。燃料費と人件費が直接効くので、「どれだけ無駄なく積んで走るか」で会社の差が出ます。

  • 社会が止まると困る仕事

    社会が止まると困る仕事。だから景気に左右されにくい反面、ドライバー不足と時間規制が業界全体の課題になっています。

  • 現場職と管理職は別世界

    現場職と管理職で仕事がまったく違う。運ぶ人と、配車・倉庫運営・荷主対応をする人は別。求人を見るときはどちらかを必ず確認してください。

この輪の要

止めないこと自体が、そのまま価値になる仕事。

この会社の中では、誰が働いているか

物流会社には、こういう役割の人たちがいます

お客さんに近い側(前線)会社を支える側(バックオフィス)ドライバー倉庫・現場配車・管理事務・コーポレート
現場(運ぶ人)と管理(配車・倉庫)はまったく別の仕事。求人がどちらを指しているかは必ず確認してください。
12

インフラ・エネルギー

電気・ガス・通信・再エネ。先に大きな設備をつくって、長い年月で回収するという、他とは時間軸の違う商売です。

従量型(使った分だけもらう)

設備を持ち、使われた量に応じて毎月お金をもらう会社。

技術・保守インフラ会社あなたはここで働く利用者毎月使う人たち届け続ける¥毎月の料金(基本+使用量)値段は認可制
先に作って、ずっと届ける構造。大きな設備を先に作り、毎月の料金で長い年月をかけて回収します。

売上のつくり方

利用者数×(基本料金+使った量)

  • 利用者数 一度つながると長く続く
  • 使用量 気候や景気で動く
  • 設備 先に大金がかかる

ここがポイント

  • 先に作って何十年で回収

    先に設備をつくり、何十年もかけて回収する。だから経営は長期目線で、会社としての安定感はいちばん高い部類です。

  • 国のルールに縛られる

    値段も参入も、国のルールで縛られている。自由に値上げできない代わりに、簡単に競合が現れない世界です。

  • 安定を求める人に向く

    安定を求める人には向く。ただし急成長も急な昇給も起きにくい。太陽光など新しい領域だけは、これと違うスピードで動いています。

この輪の要

先に大きく作って、何十年もかけて回収する商売。

この会社の中では、誰が働いているか

インフラ会社には、こういう役割の人たちがいます

お客さんに近い側(前線)会社を支える側(バックオフィス)技術・保守法人営業計画・管理コーポレート・事務
この業種の主役は保守・運用。派手さはありませんが、止めないことがそのまま社会と会社を支えています。
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金融・保険

売っているのは形のあるモノではなく信用と安心。お金そのものを商品にしている、少し特殊な業種です。

利ざや型・保険型(お金と保障を扱う)

お金を貸して利息をもらう、または保険料を集めて万一のときに払う会社。

預ける人利息を受け取る借りる人利息を払う営業・審査銀行・保険あなたはここで働くお金を預かる貸し出す¥受取利息−支払利息=利ざやお金が商品
預ける人と借りる人のあいだに立つ仕事。左から預かり、右へ貸す。利息の差=利ざやが会社の取り分です。

利益のつくり方

受け取る利息−払う利息−焦げつき

  • 貸した量 多いほど利息が増える
  • 金利差 ここが利益の源
  • 回収 返ってこないと一気に損

ここがポイント

  • 集めて、備えて、払う

    保険は「集めて、備えて、払う」商売。大勢から少しずつ集め、事故に遭った人にまとめて払う。払いすぎないよう見極める仕事が中にあります。

  • 売っているのは信用

    売っているのは信用。だからルールと手続きが極めて厳しく、資格の取得が前提になる求人がほとんどです。

  • 数字が明確=目標も明確

    数字が明確な分、目標も明確。成果が分かりやすい世界を求める人には合いますが、その厳しさも込みで考えてください。

この輪の要

信用を売って、焦げつかせないことで利益を守る。

この会社の中では、誰が働いているか

金融機関・保険会社には、こういう役割の人たちがいます

お客さんに近い側(前線)会社を支える側(バックオフィス)営業窓口審査事務・コーポレート
売る人と止める人(審査)が社内に両方いるのが金融。売ってはいけない相手を見極める役割が、必ず内側にあります。

面談での使い方(担当CA向け)

  1. 志望業種が決まっていない人には、2〜3枚を並べて見せて反応を見る。「人を増やして伸びる」「積み上げて伸びる」「決めた瞬間に稼ぐ」のどれに惹かれるかで、向き不向きが見えます。
  2. 求人票を見るとき、どの型の会社かを本人に当ててもらう。型が分かれば、年収の上がり方・忙しくなる時期・求められる力が予測できます。
  3. 志望動機は「この会社の稼ぎ方のどこに自分が乗るか」で組み立てる。「成長したい」より圧倒的に伝わります。

どの業種も、良し悪しではなく仕組みの違いとして説明してください。転職しない選択も含めて、本人が決めるための材料です。

自分の業界、どの輪で回ってる?

読んでみて気になったことは、キャリアの専門家にそのまま聞けます。相談は無料・転職を前提にしなくて大丈夫です。