内定承諾と退職交渉はどっちが先?内定取り消しを防ぐ正しい順番
転職活動の終盤で多くの人がつまずくのが、「内定をもらったけど、今の会社にいつ退職を切り出すべきか」という問題です。
「内定承諾と退職交渉、どっちを先にすべき?」 「退職を先に伝えて、もし内定が取り消されたら無職になるのでは…」 「内定もらってから退職を伝えるとして、間隔はどのくらい空ければいい?」
この記事では、内定承諾と退職交渉の正しい順番と、トラブルなく次の職場に移るための具体的な進め方を、伝え方のトーク例まで含めて解説します。
この記事の監修・運営者 Whitail(ワイテル株式会社)/有料職業紹介事業 許可番号 23-ユ-303211 国家資格キャリアコンサルタントが在籍し、名古屋を拠点に累計300名以上の転職・キャリア相談を支援(相談満足度98%)。転職を前提としない中立的な無料キャリア相談を提供しています。
結論を先に:内定を正式承諾してから退職を切り出す。間隔は「承諾後すぐ(数日以内)」が理想。 退職を先に伝えると、内定取り消し・条件変更が起きたときに「転職先も現職もない」最悪の事態になります。労働条件通知書を書面で確認し、年収などの交渉も済ませて承諾。そのうえで直属の上司に退職を申し出るのが、円満退職と入社日調整を両立させる唯一の安全ルートです。
早見表:内定承諾と退職交渉はどっちが先か
| 状況 | 先にやること | 理由 |
|---|---|---|
| 内定が出た(口頭) | まず労働条件通知書を待つ | 書面前は条件が覆る可能性がある |
| 労働条件通知書を受領 | 条件確認・年収交渉 | 交渉は承諾前がベストタイミング |
| 条件に納得した | 内定を正式承諾 | ここで転職先を確定させる |
| 内定承諾済み | 退職交渉(数日以内) | 早いほど引き継ぎ・有給消化に余裕 |
| 退職日が決定 | 入社日を最終調整 | 引き継ぎ期間を逆算して決める |
迷ったら「内定承諾 → 退職交渉」の順番を崩さないこと。これだけ覚えておけば大きな失敗はありません。
結論:内定承諾が先、退職交渉は後
迷ったときの大原則はシンプルです。「内定を正式に承諾してから、現職に退職を切り出す」——これが鉄則です。
理由は明確で、退職を先に伝えてしまうと、万が一内定が取り消されたり条件が折り合わなかったりした場合に、「転職先もなく、現職にも残れない」という最悪の事態になりかねないからです。
なぜ退職を先に切り出してはいけないのか
- 内定はまだ確定ではない:口頭の内定や、労働条件通知書を受け取る前の段階では、条件が覆る可能性がゼロではありません
- 引き止めで判断が揺れる:退職を先に伝えると引き止めにあい、転職そのものを見失うことがあります
- 交渉の主導権を失う:退職が既成事実になると、入社日や条件の交渉を冷静に進めにくくなります
まず転職先を確実に固める。これが安全に転職を進める基本です。
正しい順番【5ステップ】
内定から入社までを、トラブルなく進める流れを5ステップで整理します。
ステップ1:労働条件通知書を確認する
口頭の内定だけで動いてはいけません。給与・勤務地・職種・入社日などが書かれた労働条件通知書(オファーレター)を必ず書面で受け取り、内容を確認します。
ステップ2:条件に納得したうえで内定を承諾する
条件に疑問があればこの段階で質問・交渉します。年収交渉をするなら承諾前がベストタイミングです。年収交渉のコツは転職の年収交渉のタイミングと進め方を参考にしてください。納得できたら正式に内定を承諾します。
ステップ3:退職の意思を直属の上司に伝える
内定承諾後、できるだけ早く直属の上司に退職の意思を伝えます。法律上は退職日の2週間前までですが、円満退職のためには1〜1.5ヶ月前が目安です。就業規則に退職申し出の期限が定められている場合はそれに従います。
ステップ4:退職日と入社日をすり合わせる
現職の引き継ぎ期間を考慮し、退職日を決定します。そのうえで転職先と入社日を調整します。入社日に余裕を持たせておくと、引き継ぎや有給消化がスムーズです。
ステップ5:引き継ぎ・有給消化・退職手続き
後任への引き継ぎ資料を作成し、残った有給を計画的に消化します。貸与物の返却や各種書類の受け取りも忘れずに行います。
「内定もらってから退職」までの間隔はどのくらい?
内定承諾から入社まではおおよそ1〜2ヶ月が一般的です。現職の就業規則で「退職は1ヶ月前までに申し出る」と定められていることが多いため、内定承諾後すぐに退職交渉に入るのが理想です。
入社希望日が遠すぎると、企業によっては「本当に来るのか」と不安に思われることもあります。逆に近すぎると引き継ぎが雑になりトラブルの元です。現職の引き継ぎに必要な期間+有給消化を逆算して入社日を決めましょう。
具体的なスケジュールの組み方は、在職中の転職の進め方をまとめた在職中の転職スケジュールの立て方も参考になります。
内定承諾「前」に退職交渉を進めてよいケースはあるか
原則は「承諾が先」ですが、例外的に承諾前から退職の地ならしを始めてよい場合もあります。
- 就業規則で退職申し出が「2〜3ヶ月前」と長い:このまま承諾後に動くと入社日に間に合わないため、内定確度が高い段階で上司に「転職を考えている」と前ぶれだけ伝えておくケース
- 繁忙期で引き継ぎに長期間かかる職種:後任育成に時間がかかる専門職などは、早めの相談が円満退職につながる
ただしこれらはあくまで例外です。正式な退職届の提出は、内定承諾・労働条件通知書の受領が済むまで必ず待ってください。書面のない段階で退職届を出すのは避けましょう。
退職届を退職交渉の前に提出する場合の注意点
「上司に話す前に退職届を出してしまっていいのか」「会社から先に退職届を出せと言われた」——退職届の提出タイミングも迷いやすいポイントです。
原則:退職届は「口頭で伝えて合意した後」に出す
退職の正しい流れは、①直属の上司に口頭で意思を伝える → ②退職日を合意する → ③退職届を提出するの順です。いきなり退職届を出すのはマナーの問題だけでなく、退職日を会社と調整する余地を自分から手放すことになります。
退職届を先に出してしまった場合は撤回できる?
退職届は、会社側の決裁権者(人事部長など)が受理・承諾する前であれば撤回できる可能性があります。一方で受理後の撤回は原則できません。「内定が確定する前に退職届を出してしまい、その後内定の条件が変わった」という事態を避けるためにも、退職届の提出は労働条件通知書の受領・内定承諾のあとまで待ってください。
会社指定のフォーマットや期限がある場合
就業規則で「退職届は◯ヶ月前までに所定様式で提出」と定められている会社もあります。この場合も、まず口頭で上司に伝えたうえで、指定の様式・期限に従って提出すれば問題ありません。期限が長い会社ほど、内定承諾後すぐに動き出すことが重要です。
【ケース例】内定承諾から入社までのリアルな2ヶ月スケジュール
「順番はわかったが、実際どのくらいのペースで動くのか」がイメージしづらい方のために、在職中に転職活動をした方の典型的なスケジュールを示します。就業規則で「退職は1ヶ月前までに申し出る」と定められたケースです。
| 時期 | 動き |
|---|---|
| 内定(口頭) | この時点では退職を切り出さない。労働条件通知書を待つ |
| 内定から2〜3日後 | 労働条件通知書を受領。年収・勤務地・入社日を確認し、必要なら交渉 |
| 1週目 | 条件に納得し内定を正式承諾。転職先を確定 |
| 1週目〜2週目 | 直属の上司にアポを取り、退職の意思を口頭で伝える(承諾後すぐ) |
| 2週目 | 退職届を提出。退職日と最終出社日を確定 |
| 3〜6週目 | 後任への引き継ぎ・引き継ぎ資料作成 |
| 6〜8週目 | 有給消化・貸与物返却・離職票など書類の受け取り |
| 約2ヶ月後 | 新しい職場へ入社 |
ポイントは、「内定承諾」と「退職を切り出す」の間をできるだけ詰めることです。ここが空くほど、引き継ぎや有給消化のしわ寄せが入社日に及びます。逆に承諾前に退職を切り出すと、このスケジュール全体が崩れるリスクを抱えることになります。
在職中の動き方をさらに詳しく知りたい方は、在職中の転職スケジュールの立て方もあわせてご覧ください。
複数社から内定をもらった場合の順番はどうする?
複数社から内定が出た場合は、退職交渉に入る前に、まず行き先を1社に確定させるのが鉄則です。順番を整理します。
- 全社の労働条件通知書を書面でそろえる:口頭の条件だけで比較しない。年収・勤務地・残業・入社日を同じ土俵で並べます
- 辞退する企業へ先に連絡する:承諾は1社のみ。辞退は早いほど相手に誠実で、自分の気持ちの整理にもなります
- 本命1社に正式承諾する:ここで初めて転職先が確定します
- そのあとに現職へ退職を切り出す:承諾前に退職を進めると、内定辞退の連鎖が起きたとき行き場を失います
「内定をいくつも持ったまま現職に退職を伝える」のは避けましょう。転職先は必ず1社に絞ってから退職交渉——この順番だけは崩さないでください。複数オファーの選び方は複数内定の選び方・比較のしかたも参考になります。
退職交渉の伝え方・トーク例
「いざ上司に切り出すとき、何と言えばいいかわからない」という相談は非常に多いです。基本は結論から・感謝を添えて・相談ではなく報告のトーンで伝えることです。
最初に切り出すときの一言(例)
「お忙しいところ恐れ入ります。今後のキャリアについて考えた結果、◯月末で退職させていただきたく、ご相談に伺いました。」
ポイントは「相談に伺いました」と切り出しつつ、退職日を具体的に示すことです。曖昧にすると引き止めの余地を与えてしまいます。
退職理由を聞かれたときの答え方
退職理由は、現職への不満ではなく前向きな理由で統一します。「新しい分野に挑戦したい」「これまでの経験を別の形で活かしたい」など、引き止めにくい言い方が無難です。面接での退職理由の伝え方は面接での退職理由の答え方も参考になります。
引き止められたときの返し方(例)
「お気持ちは本当にありがたいです。ただ、時間をかけて考えて決めたことですので、円満に引き継ぎを終えられるよう協力させてください。」
感謝は示しつつ、決定は揺らがないことを穏やかに伝えるのがコツです。
退職交渉でよくあるトラブルと対処法
強い引き止めにあう
退職を伝えると、「君がいないと困る」「次の評価で昇給する」などと引き止められることがあります。気持ちは揺れますが、転職を決めた本来の理由を思い出すことが大切です。引き止めへの具体的な対処は退職の引き止めへの対処法で詳しく解説しています。
「退職日を延ばしてほしい」と言われる
人手不足を理由に退職日の延期を求められることがあります。転職先の入社日が決まっている場合は、無理に応じる必要はありません。就業規則上の期限を守っていれば、退職は労働者の権利です。
内定承諾後に退職交渉が長引いた
退職交渉が想定より長引いた場合は、すぐに転職先の採用担当に相談しましょう。誠実に状況を共有すれば、多くの企業は入社日の調整に応じてくれます。
内定後の給与交渉で内定取り消しが怖い
「承諾前に年収交渉をしたら内定を取り消されないか」と不安になる方もいます。常識的な範囲の交渉で内定が取り消されることはほぼありません。むしろ承諾後に交渉を持ち出す方が印象を損ねます。交渉は労働条件通知書を受け取った承諾前のタイミングで、根拠(現職年収・実績)を添えて行いましょう。
内定取り消しが不安な人へ|起きやすいケースと備え
「退職を切り出したあとに内定を取り消されたら無職になるのでは」という不安は、順番を正しく守ることでほぼ解消できます。そのうえで、内定取り消しが問題になりやすいケースを知っておきましょう。
内定取り消しが起きうるケース
- 経歴・資格の虚偽が発覚した:応募書類と事実が異なる場合は、取り消しの正当な理由になります
- 企業側の業績悪化・採用計画の凍結:まれですが実例はあります。労働条件通知書の受領後であれば、法的に争える余地があります
- 入社日が大幅に遅れた:退職交渉が長引き、当初合意した入社日から数ヶ月ずれると、採用計画上やむを得ず白紙になることがあります
いずれも「内定承諾→退職交渉」の順番を守り、退職交渉の状況を転職先へ正直に共有していれば、実際に取り消しへ至ることはほとんどありません。
入社日の交渉で内定が取り消されることはある?
常識的な範囲(1〜2ヶ月程度)の入社日調整で内定が取り消されることは、まずありません。企業側も、在職中の応募者に引き継ぎ期間が必要なことは理解しています。危険なのは、理由を伝えないまま入社日を何度も先延ばしにすることです。「現職の就業規則で退職は1ヶ月前申告のため、◯月◯日なら確実に入社できます」と根拠と確定日をセットで伝えれば、多くの企業は柔軟に応じてくれます。
万が一に備える意味でも、「労働条件通知書を受け取ってから承諾し、承諾してから退職を切り出す」という順番が、あなたを守る最大の保険になります。
退職交渉の後に内定取り消しされたら?取れる行動と法的な立場
確率は低いものの、「退職を切り出した後に内定が取り消された」という最悪のケースに直面したら、どう動けばよいのでしょうか。結論、内定承諾後の取り消しは法律上「解雇」と同じ扱いであり、泣き寝入りする必要はありません。
まず知っておくべき法的な立場
労働条件通知書を受領し内定を承諾した時点で、法律上は始期付きの労働契約が成立しています。企業側が一方的に取り消すには、解雇に相当する客観的・合理的な理由が必要です。業績悪化などの会社都合による取り消しは、不当解雇として争える可能性が高く、損害賠償(得られたはずの賃金など)が認められた判例もあります。
取り消しを告げられたら、この順に動く
- 取り消しの理由を書面(メール可)で求める:口頭のみでは後から争えません。日付・理由を記録に残します
- 現職に退職の撤回を打診する:退職届がまだ受理・承諾されていなければ、撤回できる可能性があります。事情を正直に話しましょう
- 労働局・弁護士に相談する:総合労働相談コーナー(無料)で、補償請求や撤回交渉の進め方を確認できます
- 転職活動の再開と並行する:争う場合も生活は続きます。感情的に企業と交渉するより、専門窓口を挟んで淡々と進める方が結果的に早く解決します
予防策:やりとりは必ず「書面・メール」で残す
内定通知・労働条件・承諾の意思表示・入社日の合意——これらをメールなど記録が残る形でやりとりしておくことが、万が一のときにあなたを守る証拠になります。電話で重要な話をした場合は、「先ほどのお電話の内容を確認させてください」と要点をメールで送っておきましょう。
よくある質問
Q1. 退職交渉が難航しそうで不安です。内定を先にもらって大丈夫ですか?
A. はい。むしろ内定を確保してから退職交渉に入るのが正解です。転職先が決まっている方が、交渉の精神的な余裕も生まれます。
Q2. 内定承諾後に内定を辞退することはできますか?
A. 法律上は可能ですが、企業に大きな迷惑がかかるため避けるべきです。承諾は「ここで働く」と決めてから行いましょう。複数社で迷っている場合は承諾前に結論を出すのが鉄則です。
Q3. 退職を切り出すのは内定承諾の何日後がベストですか?
A. 承諾後すぐ(数日以内)が理想です。退職には引き継ぎ・有給消化の時間が必要なため、早く動くほど円満退職と入社日調整がしやすくなります。
Q4. 会社を辞めると言ったら強く引き止められました。どうすればいいですか?
A. まずは話を最後まで聞いたうえで、「決めたことなので」と穏やかに、しかし明確に意思を伝えます。条件提示で揺れそうなときは、転職を決めた本来の理由を紙に書き出しておくと判断がぶれません。
Q5. 内定後に注意すべきことは他にありますか?
A. 労働条件通知書の内容確認、入社日の調整、現職の貸与物返却などがあります。詳しくは転職の内定後に注意すべきことをご覧ください。
Q6. 退職交渉の後に内定取り消しされたら泣き寝入りするしかないですか?
A. いいえ。内定承諾後の取り消しは法律上「解雇」と同じ扱いで、会社都合の取り消しは不当解雇として争える可能性があります。取り消し理由を書面で求め、現職への退職撤回の打診と労働局への相談を並行して進めてください。
Q7. 退職届は内定承諾の前に出してもいいですか?
A. 避けてください。退職届は受理されると原則撤回できないため、労働条件通知書を受領し内定を正式承諾した後に提出するのが安全です。会社から先に提出を求められた場合も、内定確定まで待つ旨を伝えて調整しましょう。
まとめ
- 順番は「内定承諾 → 退職交渉 → 退職届の提出」が鉄則
- 退職を先に切り出すと、内定取り消し時に行き場を失うリスクがある
- 労働条件通知書を書面で確認し、納得してから承諾する
- 内定もらってから退職を伝えるまでの間隔は「承諾後すぐ」が理想
- 退職は引き継ぎ期間を考え、1〜1.5ヶ月前に申し出る
- 万一、退職交渉の後に内定取り消しされても法律上は「解雇」扱い=争える。やりとりは書面・メールで残す
- 引き止め・退職日延期・内定取り消しの不安には、本来の転職理由を軸に冷静に対応する
正しい順番を守れば、円満退職とスムーズな入社を両立できます。
Whitailの無料転職相談を活用しよう
「内定は出たけれど退職交渉が不安」「入社日の調整をどう進めればいいかわからない」という方は、転職のプロに相談することをおすすめします。
Whitailでは内定後の退職交渉・入社日調整まで含めた完全無料の転職サポートを行っています。
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